株式会社大垣共立銀行

株式会社大垣共立銀行 IT統轄部 調査役 伊藤啓氏、同部 深谷基貴氏、安田竜輝氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「営業ターゲティング、収益分析解析などさまざまな分野でデータ分析を活用しています」

株式会社大垣共立銀行について

株式会社大垣共立銀行は大垣市に本店を置く第一地方銀行です。岐阜県と愛知県を中心に滋賀県、三重県でも事業を展開しています。キャッシュカードなしで、ATMに手のひらをかざし暗証番号を入力すれば現金が引き出せるサービス、ドライブスルー併設店舗、職員によるユニット(OKB45)などユニークな取り組みもおこなっています。

創業 1896年3月
年商 1227億6200万円(連結)
従業員数 2476名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・評価

活用状況

  • ・ダイレクトメール送付先の選定など「見込み先顧客のターゲティング」で活用
  • ・自社アプリのレコメンド配信条件を、AFE(機械学習)機能を使って抽出
  • ・顧客属性・サービス利用のセグメント別ごとのボリューム分析・収益性分析
  • ・各種データの加工、蓄積(簡易データマート)、保管、集計

導入前の課題

  • ・データ活用の自由度を上げ、活用イメージの共有、データ活用意識を高める
  • ・担当者の知識と経験に基づく分析から、組織的なデータ活用に移行する必要性

KIへの評価

  • ・ユーザーインターフェースがよい。触っていれば、自然に使えるようになる
  • ・個人分析から組織的に分析を広めていくには基本となる型が必要で、キーエンスとKIにはデータ活用の型(パターン)があり、型ごと導入できる点がよい
  • ・KIのデータベースを1つの簡易的なデータマートとすることができ、構造化データであれば、データベースに展開して分析できる点。サンドボックスとして活用できる

営業、現場事務、アプリなどさまざまな用途でKIを活用

大垣共立銀行ではKIをどう活用していますか?

まずダイレクトメールの送付先の選定など「見込み先顧客のターゲティング」で活用しています。それぞれの商品・サービスを所管する部署がターゲティング分析をするケースもあれば、私たちIT統轄部が分析するケースもあります。

この他、大垣共立銀行の銀行アプリでも活用しています。アプリ内では、顧客の取引の状況、特定行動の回数などをもとに、アプリ内でレコメンドを表示します。例えば「一定の商品の契約があり、一定の閾値を充足する残高がある顧客がATMから出金した」などの条件が揃ったとき、特定のレコメンドが表示されます。レコメンド表示の条件である「一定の契約」や「一定の閾値」などを、KIのAFE(機械学習)機能を使って抽出しています。

また、銀行業界が近年直面する実店舗への来客数の減少などを把握するために、口座取引履歴などの情報から、個人、法人の属性別、店舗別に時系列で分析し、トレンドを見出す可視化の取り組みをしています。こうした分析結果は、店舗の配置や事務の集約などの検討・検証などのインプットにもなっています。以前は現業部門でのデータ分析といえば、小規模のデータをExcelやAccessを使って分析する程度でした。KI導入後は、その他要因もありますが、1億件を超える規模の取引履歴のデータでも分析に利用することができるようになりました。

当社では、まだ利用できていないのですが、最新バージョンで追加されたグラフ化機能などは、説明の現場での質問や疑問に対して素早くビジュアルで示すことができるので、よりさまざまな業務の現場での活用の幅が拡がるのではないかと期待しています。

主の分析機能ではありませんが、簡易データマートとして各種データの蓄積、保管、集計にもKIを使っています。業務面からいうと、時間の変化とともに必要なデータの要件は変わっていきます。データマートを開発して作成しても、作成した瞬間から陳腐化は緩やかに始まるのです。KIはGUIで操作できるデータ加工・蓄積機能がありますので、システム部門以外の業務部門が柔軟に作成できる現場用データベースとしてもKIを重宝しています。「こんなデータあるけど使えるかな」といった際に、csvをドラッグ&ドロップしたら、すぐに加工・分析できるので、新たなデータ活用を始める際にあたりをつけやすい(サンドボックス)というのも良い点です。それもシステム部門の介在を必要とせず、業務部門がすぐやってみることができる、「鉄は熱いうちに叩け/やる気が出た時にすぐにできる」、これは重要だと思います。そして、後続の分析機能があるからやりたいことが見つかる&データ加工・蓄積機能があるからすぐ始められる、この2つがあることはデータ活用の推進において大きなアドバンテージだと思います。

当社では、KI導入に前後して、データ活用のプロジェクトチームが立ち上がりました。当初はキーエンスのデータサイエンティストにご協力いただき、本部部署の若手中堅職員を中心に十数名で活用を進めました。約1年後には営業店舗の職員を公募し約20名新たに加え、現在は、営業現場の職員のデータ活用ニーズを吸い上げ、現場でのデータ活用をスモールにはじめて大きくすべく具体的なテーマを討議中です。

KIへのデータ投入は、基幹システムの一部がコピーされているDWHとのデータベース接続(自動更新)、それ以外のデータは必要に応じて、基幹システムに接続されているBIツールから抜き取った上、手動でKIに読み込ませています。今後、KIなどの活用ツールにより多くのデータを自動で投入できるようなデータインフラを整備し、より多くのデータを活用していきたいと考えています。

各部門を巻き込み・巻き込まれながらKI導入を決定

KI導入の経緯について教えてください。

KI導入前の課題として、まず現場のデータ活用の自由度、使い勝手を向上させることがありました。また社内の顧客データマートが構築よりすでに15年以上を経て、当時、作り込んだ仕様が、現状の需要・ニーズに合致しない点も出てきていること、それを具体的に分析するツールや組織的に分析するノウハウがないという状況でした。これを踏まえ、活用ありきの方からデータインフラ全般を見直していく必要に迫られていました。

そんな折、KIのことを知り、説明を聞いて、いまの課題を解決しうるシステムだと感じましたが、最初は社内で誰がどう活用していくか明確にイメージできませんでした。ただその後、他の部署も巻き込み・巻き込まれて説明を聞くうち、「自分たちも使ってみたい」という声が徐々にあがってくるようになりました。

また、キーエンスから、データ分析を使って課題を解決するための方法論(運用のひな型)、データ活用の際のPDCAの回し方などデータ活用の型について提案があり、それを聞くうち、組織として活用していくイメージも明確になりました。経営層にも説明し同意を得たのち、KIの導入が決定しました。

最初はデータ分析の「型」に従う

KIを、どのように社内に浸透させていったのでしょうか?

キーエンスの伴走支援とKIで提供されるデータ分析の「型」。これを素直に取り入れ、実行することからはじめました。初めての人にとっては、「型」に当てはめてやれば、ある意味オートマティックに分析できるというのが重要なのだと思います。次に何をすればいいかわかると迷わず進めます。最近では社内でもデータ分析への関心が着々と高まっています。KIというツールがあり、身構えなくてもちょっとやってみればこれまで知りたかったことがわかるかもしれない、それで関心が出てきた、という流れだと思います。

具体的には、「どんな顧客がどの店舗にどれぐらいの頻度で来店し、ATMを使っているか特徴を知りたい」「証券会社に振り込んでいる顧客の特徴を知りたい」などがあります。こうした分析は、後続のATM配置の最適化などを検討する際の材料として活用されています。

KIを直接知らない社員でも、食堂などでの会話で「何かツールが入ってデータ分析が始まっているらしい」と話題になることがあるようです。それが契機で「こんなことはできませんか?」と私たちに問い合わせが来たこともありました。

データを見て考える、「データドリブン」の姿勢が現場に根づきつつあります。

触っていれば、どんどん使いこなせてくる、それがKI

ここまで使ってみてのKIへの評価をお聞かせください。

KIはユーザーインターフェースがすばらしく、特別な知見がなくとも、触っていけば自然と使いこなせる、新たな機能が追加された時も「ちょっとやってみよう」と触っていれば、そのうち使いこなせるようになります。使っていて、分からなくなることはほとんどありませんし、どうしても分からないなら、Web上のサポート動画を見ればよい。こういったサポート環境が充実していることも、非常に有難いと感じています。

キーエンスのデータサイエンティストには導入1年目に基礎を学びました。現在はデータ利活用プロジェクトに参加している営業店のメンバーを中心に営業現場のデータ活用ニーズを吸い上げること、本部の中心としてKIの普及、運用、データ活用に着手しています。足がかりの部分をまず自分たちで固め、そのあとデータサイエンティストに積極的にご協力いただく予定です。

銀行という業種の特徴かもしれませんが、業務側の社員が自由に分析するためのデータの保存・蓄積する場所がなく、時間をかけずに試しにやってみる、いわゆるアジャイルにトライ&エラーすることもできませんでした。しかし今はKIがある種のサンドボックスとして、分析の自由度とクイックスタートを同時に実現できる場所として機能しています。

私たちにとってKIは、一見できなさそうに思えることでも、とにかくKIでデータを触り始めたら何らかの次のアクションに繋がるそんな存在です。

今後もKIをフル活用し、社内全体にデータを利活用する文化を定着させていきたいですね。今後ともキーエンスに期待するところは大きいです。引き続きよろしくお願いいたします。

株式会社大垣共立銀行

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