KIを導入したことで、行内に散在していたデータが集中的に収拾、整理されました。そして職員それぞれがそのデータを使えばマーケット分析・セグメント戦略の策定・営業効率の改善が可能であると理解しました。
キャンペーンなど各種施策を企画する際もいきなり行動に移るのでなく、いったん立ち止まり、まずデータ分析をおこない、リストを作ってそれからはじめて実行に移す。実行後は必ず結果を検証し、PDCAを回す、そのような形に変わりました。
最近は行内の各部門から頻繁に相談が来ます。相談の内容に応じ、最適のサポートができるよう心がけています。場合によってはマンツーマンで相談にのっています。いま行内では、会議での会話でも「KI」という単語がデータ分析を象徴する用語になりつつあります。
KIは動作が高速なので、データ分析に要する時間も以前に比べ、大きく短縮されました。Excelでの分析ではあまりに時間がかかりすぎて途中でやめることもありましたが、今はそうした中途停止はありません。
画面が分かりやすいのも良い点です。リレーションの設定でも、見た感じだけで操作すれば、イメージ通りの結果画面が表示されます。ターゲットリストをつくるときもスコアが一目ですぐ分かります。また分析の途中でも点数を絞れば、それに該当するリスト情報が分かる、つまり、今やっていることが大きく間違っていないことを確認しつつ作業が進められます。直感的な操作が可能なのは、KIの優れた点です。
「データ分析」という作業は、未経験の人間にとっては、そう聞くだけでやりたくない、触りたくない類の作業です。でもKIなら、ちょっと楽しそうだな、やってみようかなという気になれる。だから最初の一歩が踏み出せます。それからハードルが高くなったとしても、その時はデータサイエンティストやeラーニングのサポートを頼ればよいだけですし。
キーエンスのデータサイエンティストは金融業界の知識も豊富で、基本的なところから細かい点まで幅広く相談できます。セグメント戦略の策定、チャネルの選定についても、他の事例などさまざまなアドバイスをいただき、それを通じてデータ分析の基本的な考え方が身につけられます。データサイエンティストとの定例会に参加している行員は、データリテラシーが確実に向上しているように思います。
ターゲットリストを作成しながら、今まで自分では考えることさえない意外な結果が出たときは、こんな数値や項目が、ここまで結果に影響するのかと驚きました。例えば、投資信託の購入者の傾向を分析した時、「カードローンを使ったことがある」という属性が上位にありました。投資信託をするような人はカードローンには関心がないのではないかと思っていたのですが、違いました。この感覚は今後の自分の仕事に活きてくるでしょう。