株式会社中田製作所

株式会社中田製作所 代表取締役社長 中田充氏、営業プロジェクト部課長 家藤美仁氏、技術部T&Dセンター 仲子あかね氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIを活用し、データドリブンな企業文化を醸成します」

株式会社中田製作所について

株式会社 中田製作所は大阪市に本社を置く、造管機械メーカーです。外径760ミリから22ミリまで幅広いサイズのパイプに対応する機械の開発・設計・販売をしています。特に平板を円形形状に変える成形工程に強みがあり、連続成形して製造する造管機械メーカーとしては世界トップクラスの技術を持っています。国内、海外の売上比率はそれぞれ約50%。創立1908年、現在、創業115年目の老舗企業です。

創業 1908年
年商 16億円
従業員数 62名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

課題・活用状況・評価

導入前の課題

  • ・属人的でアナログな仕事のやり方を、「言語化」「データ化」「見える化」し、より組織的な仕事のやり方となるようにしたいと考えていた

活用状況

  • ・収益構造分析、保守・メンテの受注頻度の分析、リピート率と受注額の分析に取り組む
  • ・案件推進の意思決定を効率的、効果的に行うための案件難易度分析
  • ・属人的な営業をデータ活用を通じて標準化し、組織力を発揮するための営業活動分析

KIへの評価

  • ・使いやすさ、データサイエンティスト・担当営業の提案力に高い評価

KKD(経験・勘・度胸)からの脱却を目指す

KIを導入した経緯を教えてください。

当社の造管機械の特徴は、パイプ成形に使用するツールが幅広いサイズに兼用できる点です。ここでは従来の手作業、感覚による調整を極力モデル化、数値化するべく、シミュレーションやデジタル制御を積極的に活用しています。この技術はデータ分析をベースにしているのに、仕事のやり方はアナログなので、データ分析を仕事のやり方にも広げる必要を感じていました。そんな折、セミナーを通じてKIのことを知りました。

セミナーでは「キーエンスももともと勘と経験で仕事を進めていた部分があり、うまくいかない、壁にぶつかるケースがあった」、「それを解決するためにデータ活用を始めた」、「KKD(経験・勘・度胸)をデータ化すると、数値で会話できるようになる」といった話があり、非常に刺さりました。それを聞いて、自分たちもKIを使ってみたいと思いました。

当社の仕事のやり方はこれまで経験則、知識でこなす、いわゆる職人的なアナログの世界でした。社員それぞれが経験に基づいた自分だけの判断基準を持っているが、言語化・データ化はしておらず、このままでは属人的な意思決定となり、組織的な対応も難しく、適切な意思決定とならない場合もある。このリスクがある状態をなんとか解消したいと考えました。

弊社はBtoB業態なので、BtoCのように大量の顧客データがあるわけではありません。ただ今後データに基づく意思決定プロセスの構築が必須になることには確信めいたものがありました。その後、キーエンスから説明を受け、KIの導入を決めました。

収益構造の分析に活用

ここ1年での活用状況を教えてください。

現在「収益構造の分析」「案件難易度の分析」「営業活動の分析」などに取り組んでいます。

まず「収益構造の分析」についてですが、大別すると、機械を受注生産する「プロジェクト事業」とそのプロジェクト事業から派生する「保守・メンテ事業」があり、まずは件数が多い「保守・メンテ事業」の特徴や受注の傾向を数値分析しました。受注の頻度や金額の多寡をある基準で分類し、それぞれの違いの原因が地域性なのか、顧客属性なのか、元の案件の大小なのか、その理由を探っていきました。その分類の基準はデータサイエンティストの提案に基づき、複数年の受注のリピート率と平均受注金額で4つにグループ分けする作業に取り組みました。

横軸はリピート率で右にいくほどリピート率が高く、縦軸は平均受注額で上に行くほど金額が多くなります。

区域Dの顧客は、受注額・リピート率共に低いので、それを区域AまたはBに移動させたい。とはいえ予備品の金額はプロジェクトの規模ごとに異なるので、そもそも区域A、Bはプロジェクトの規模に依存する可能性が高いです。さらにリピート率は複数年で見るので、プロジェクトの時期に左右される側面もある。なかなか一概に分析できたとはいえません。

それでも分析を進めるべく、まず地域に着目しました。すると世界的に見てリピート率が高いのは、日本は当然として、アメリカも意外に高いことが分かってきました。

また、ミルサイズ別だと小径および中径のリピート率が高いことや、納入後5年以内に4回以上の受注があればそれ以降のリピート率も高くなると分かりました。つまり最初の5年、懸命に営業し、何とか4回受注を獲得すれば、その後も高確率でリピートが見込めるということです。

これら分析結果をもとに営業のやり方を改善していきます。営業担当者がまず「事実・現実」を認識する。次にその認識と自分の理解が合っているかどうかチェックし、営業活動の効率を上げていくわけです。

また就業中の時間効率も分析しています。今の就業時間の使い方が、本当に効率的かどうかを分析しようとしています。

難易度と手離れのバランスの良い案件を見つけるための分析

「案件難易度の分析」とは具体的には?

会社のリソースは有限であり、なるべく効率的・効果的に活用していきたい。勘や経験頼みでなく、データ分析に基づいた仕事のやり方にしたい。この考えに基づき、案件の引合があった際、その難易度を数値化しようとしています。

QCD(品質・費用・納期)の要求水準があまりに高く、かつ手離れが悪い案件、あるいは小規模に見えても実は難易度の高い案件に対し、その技術アセスメント・商談・見積もりに会社のリソースをどこまで投入してよいか。あるいは顧客の購入意欲が高く、予算もすでにおさえてあり、かつ流用図面も多く使える、そんな難易度が低く手離れもよさそうな案件をどうやって見極めるかという分析です。重要なのは、社員全員が、案件の難易度について共通理解を持つことです。

この分析は、概念的に次のようになります。案件難易度を横軸に、案件推進確度を縦軸にし、区域Cの案件を増やそうとしています。

現在、難易度を判断するための項目を決定し、案件ごとに数値を入力しています。予算、地域、契約条件、検収要件、図面の流用比率、開発要素の有無、直接販買か間接販売かなど18の項目を点数化し、その合計値で難易度を判定していきます。その難易度に基づいて、受注活動を推進していくかどうかの意思決定を行おうとしています。一方、案件推進確度の判定基準は未だ検討中です。

全員の認識をそろえるための営業活動分析

「営業活動の分析」とは?

営業担当者がどのような顧客にどれだけ訪問しているか、顧客の傾向、受注金額、訪問回数、引合から見積もりまでの期間、受注率などを分析し、営業活動を効率化したいと考えています。

従来の営業は、属人的で経験に頼る部分も多く、「今までこうだったので、今回も恐らくこうなるはず」のように思い込みや主観で動くことがありました。

しかし、現在は自分の考えや感覚はいったん脇に置き、まずはデータに即してやってみようという雰囲気が現場に出てきました。根底には「事実に基づいた意思決定を行うことが重要」という考えがあります。

今後も属人的ではなくデータを活用して活動内容を見える化し、営業の意思決定プロセスを変えていきます。

担当営業による能動的な取り組みへの支援

KIのサポートへの評価をお聞かせください。

担当営業には頻繁に相談しています。いつも、こちらの予想を超える視点を提供してくれます。先ほど述べたリピート率分析も担当営業のアイディアです。当社の業態もよく理解し、私たちが望むことを的確に言語化、資料化してくれます。

KIというツール自体はあくまでソフトウェアであり、当たり前ですがこちらが使いにいかない限り向こうから働きかけてくることはありません。一方、担当営業は「こういうデータを作った方がいい」「こういう分析をやってみては」のように様々な提案をしてくれます。人が関わることの付加価値といえます。

データドリブンの組織を目指す

今後の展望をお聞かせください。

今後ともさらにデータ分析を推進し、会社全体にデータドリブンの企業文化を浸透させたいですね。まずは「数値をベースにした議論」を実現したいところです。

KIはデータ分析のツールとして、おそらく最も使いやすいと思います。今後も頼るところは大きいと思います。

キーエンス自身もデータドリブンになるため時間を費やしたと聞いています。私たちもまだまだこれからです。キーエンス、そしてKIにはますます期待しています。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社中田製作所

「KIを活用し、データドリブンな企業文化を醸成します」

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