株式会社とをしや薬局

株式会社とをしや薬局、経営企画部 古籏 崇紀 氏、システム部 百瀬 淳司 氏、商品部 井出 大地 氏、山崎 守司 氏に、KIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「POSレジデータの解析、レシートクーポンの企画策定などにKIを活用しています」

株式会社とをしや薬局

株式会社とをしや薬局は、長野県内で21店舗を展開するドラッグストアです。店舗には調剤薬局も併設しています。

創業 1847年
年商 119億円
従業員数 510名

(年商・従業員数は、2022年6月時点)

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

目的・課題・効果

KIの活用方法・導入目的

  • ・POSレジのデータ解析、販売促進企画の策定にKIを活用
  • ・取引先と「数字に基づいた認識合わせ」をするために、売上データの深掘りを実施

導入効果

  • ・「どの商品が、どの店舗で、どんな顧客に、どんな売れ方をしているか」が分かる
  • ・取引先との「数字に基づいた会話」ができ、売上に繋がるより効果的な販促企画が打てる
  • ・従来のエクセル分析と比較し、大幅な工数削減に。結果的に、課題点の抽出や施策の手数に繋がっている

今後の展望

  • ・顧客の継続購買性(リピート率)分析や、よりパーソナライズされた販促活動を強化

POSレジデータの解析にKIを活用

とをしや薬局ではKIをどう活用していますか?

とをしや薬局ではKIを、POSレジのデータ解析と、それに基づく販売促進企画の策定に活用しています。主に、本社の商品部門(いわゆるバイヤー)が使っています。

KIによるデータ解析を通じて、「どの商品が、どの店舗で、どんな顧客に、どんな売れ方をしているのか」を把握します。先月、あるいは昨年同時期との比較、メーカー間比較、店舗別、性別、年齢層別の比較など、分析の切り口や軸は多岐にわたります。メーカー側が見込んでいる顧客像と、実際に購入している顧客像との差異も分かります。

各店舗の責任者は、分析結果から自店舗と他店舗を比較し、「この商品、自店舗でだけ売り上げが伸びていない」などの事実を認識します。早く把握できれば、それだけ早期に手を打つことができます。

本部側も対策に参加しています。例えば仕入れ元であるメーカーに対し、「いま弊社の中で、御社製品の売れ行きが芳しくない店舗がいくつかあります。それらの店舗で、御社製品のサンプル配布を集中展開したいのですが」など提案していきます。数値に基づく話なので、地に足のついた提案となります。

もちろん、提案がすんなり受け入れられないケースもありますが、そこを歩み寄って、メーカー側の意見も聞きながら施策を形にしていく。この過程でも、データが非常に役立ちます。

弊社では、KI機能の中でも「要因分析」を積極的に活用しています。弊社で保有している様々なデータから、課題点や改善したい点を抽出し、その要因を深堀り分析していくのです。メーカーとの商談の際は、その「要因分析」の画面を共有し、前提情報を数字で認識合わせしたうえで、こちら側の企画を提案します。

「要因分析」機能には、説得力があると実感しています。メーカーの担当者が「こんなに深く売上状況を見ているのですか」と驚かれることも、少なからずあります。

他、KIは先ごろ導入したレシートクーポンの分析にも活用しています。KIを導入してすぐに、このシステムはレシートクーポンと相性がいいのではと気づきました。そこで以前から関心のあったレシートクーポンのシステムを本格導入し、KIとともに活用を開始したのです。

レシートクーポンでの活用 ~ 歯ブラシとチョコレート

レシートクーポンの取り組みについて、くわしく教えてください。

レシートクーポンは、ともすれば「それを使えば次回来店時に同じ商品をクーポンで買える」といった安易な展開に陥りがちです。

そこで、KIでバスケット分析をおこないました。すると、一つの例でいえば、ポケット菓子とベビーフードの関連性が見えてきました。最初はすぐに腹落ちすることができませんでしたが、さらに分析を深めたところ、要するにポケット菓子を食べるような小さなお子さんがいる家庭では、さらに赤ちゃんも連れて来店していることが多々ある、という分析結果でした。

ポケット菓子自体は、多くの層が買う商品です。しかしそこを、「ベビーフード」の販促にあえて絞り込むわけです。

店頭ポップでも、「このポケット菓子を買うとベビーフードのクーポンが出ます」のように告知します。するとポップを見たお客様が、実際ベビーフードの売り場に行き、商品を手に取って眺め出す、そんな効果も出ています。

この他、KIを活用した分析により、「チョコレートを買ったとき、歯ブラシや歯磨き粉などのレシートクーポンを出す」という施策もおこないました。虫歯予防、という観点で理屈は通っていると感じています。

歯ブラシとチョコレートのような、商品カテゴリーを超えた施策には、メーカーの方々も「新しい視点での提案ですね」と驚いていただきました。

KI導入の経緯

KIを導入した経緯を教えてください。

KI導入以前は、エクセルで簡易分析していました。しかしその方法では、「どの商品がいつ、どれだけ売れた」のような、どうしてもモノ(=商品)主体の分析になってしまう。そうではなく、もっと、ヒト(=顧客)に関わる分析がしたいということ、これが長らく課題感としてありました。

そんな折、KIのことを知りました。特に社長が強く関心を持ち、詳しく話を聞き、内容も納得いくものだったので、「一度やってみよう」ということで導入が決まりました。

導入後、様々な機能を使用していますが、「商談のときメーカー側と数字に基づいた認識合わせをする」「レシートクーポン向けの分析をおこなう」などの点で、特に要因分析機能を重宝しています。使い続ければアイディアは広がるものです。

KI活用のアイディアは、キーエンスデータサイエンティストとの月一回の定例会で練り上げます。定例会のテーマは、各バイヤー自らが持ち寄っています。

要因分析機能、高速性などへの評価

これまで使ってみて分かった、KIの良さを教えてください。

まず、誰がみても画面が非常にわかりやすく、操作性が良いです。分析の軸を都度、変更したり継ぎ足したりして、リアルタイムに結果を絞りこめるのも良い。簡単な分析内容だったとしても、従来エクセルのピボットテーブルでやっていた頃と比べると、かなり効率化され、工数削減に繋がっていると感じています。

いま、少しずつ脱エクセルを進めています。方法の一例としては、キーエンスのデータサイエンティストとの定例会の中で、あるテーマに対して「これまでは、こういった形でエクセルを用いて分析していました」と提示します。するとデータサイエンティストから「KIなら、こうやればもっと簡単にできます」など具体例を解説いただけます。定例会を重ねるたびに、こちらとしても新たな視点や切り口に気づき、知見が積み上がっている実感があります。

次に、弊社としては「高速性」もポイントになります。対象データは1か月 ~ 6か月分をまとめて分析することもありますが、読み込み自体やデータ加工で長時間待つといったストレスもなく、結果的に、課題点の抽出や施策の手数の多さに繋がっているのではないかと思います。ですので、メーカーとの商談の際や社内での会議の場でも、リアルタイムに次々と数字を分解し、深堀りし、課題への解像度をあげることが出来ているのだと思います。

また、具体的な数字に基づいた施策や提案は、メーカーにとっても新鮮なようです。メーカー側が保有するデータは、全国規模や関東・中部・甲信越といった「大きな地域のデータ」であることが多く、ドラッグストアの店舗ごとの売れ行きのような「ミクロなデータ」はあまり見る機会がなく、その点においても新たな気づきに繋がっているのではないかと感じています。

今後の展望 ~ モノからヒトへ

今後の展望をお聞かせください。

今後は顧客の継続購買性(リピート率)の分析を強化していきます。つまり、何回買ったら、その後も継続して買い続けていただけるのかを知りたい。いまデータサイエンティストと方針を協議中です。また、「モノからヒトへ」という流れの一環として、よりパーソナライズされた販促活動もさらに強化していきたいと考えています。

契約開始から1年半が経ちましたが、KIは私たちにとって、まだまだ可能性がある存在です。KIによって、物事の見方や視点が拡がる。この先も、試行錯誤を繰り返しながら改善策を積み上げていける、そんな期待感があります。引き続きよろしくお願いします。

株式会社とをしや薬局

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