横浜信用金庫

横浜信用金庫 営業統括部 アシスタントマネージャー 藍田昌史氏、経営企画部 リーダー 萩原貴之氏、常勤理事 営業統括部長 野田淳嗣氏、にKIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「要因ツリー機能は、庫内にKIを説明する上で、大きなプラスになりました」

横浜信用金庫について

横浜信用金庫は、神奈川県と東京都の一部で事業を展開しています。
創業は大正12年(1923年)、今年で100周年を迎える歴史ある信用金庫です。

創業 1923年
店舗数 61店舗
従業員数 1,233名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

活用状況・課題・経緯

活用状況

  • ・経営層や営業現場に対して要因ツリーやAFE(機械学習)により、データ還元をおこなっている
  • ・各種会議体への計数資料の提出をKI上でおこない、リアルタイムで議論が深められるように準備をしている
  • ・営業活動の可視化、ハイパーフォーマー分析にも活用している

導入前の課題

  • ・多くのサブシステムで分散管理されている庫内データを一元化する必要性
  • ・ITリテラシーに依存しないよう、データ分析の属人性を低減する必要性
  • ・営業店に対して成約率が高く、負担が減るような高精度のリストを還元する必要性

導入の経緯

  • ・庫内の導入協議ではKIはとにかく「見てもらう」ことを重視
  • ・一つの数字の背後にある理由について、深掘りできる要因ツリー機能が経営層に好反応。導入の弾みに

AFEを中心にKIを活用

今後KIをどのように活用していく予定ですか?

AFE(機械学習)を使い、最大で3テーマずつ平行で走らせながら、年間で計9テーマの分析をおこなう予定です。現在予定しているテーマは、企業や個人事業主など事業性顧客への項目が2つ、そして個人顧客への項目が1つです。

KI導入前の課題

KI導入前の課題について教えてください。

私たち営業統括部が担当する業務には、事業性分野の推進企画、商品企画、推進リストの還元などがあります。部内には以前から、精度の高い見込み先の発掘、つまり成約率が高まり営業店の負担が軽減する、そんな情報を営業店に還元しなければならないという課題感を持っていました。しかし簡単にはいかない。そんなときKIのことを知り、特にAFE(機械学習)に魅力を感じました。

また庫内データの一元化も大きなテーマでした。現在、庫内では部署ごとに、多数のサブシステムがそれぞれ導入、運用されています。この場合、どの部署がどんなデータを保有し、それをどう活用、集計しているのか外からはわかりづらくなります。また異なる部署が、同じようなデータを集め、類似の分析をしている場合でも、客観的にそれぞれの取り組みが見えづらいことで、違う意思決定をして別方向に動いている、といった可能性もあります。

今後はデータをできる限り集約、一元化して活用していきます。KIはそのプラットフォームとして活用していきたい。目指すは部署ごとの個別最適ではなく全体最適です。

この他、データ分析の属人性を低減したいという課題感もありました。

高品質の分析を平準的に展開する

「データ分析の属人性を低減したい」とは具体的には?

弊庫は、全員のITリテラシーが高いわけではありません。ですので、システム知識を必要としない、感覚的に使える製品でないと、庫内で浸透しないと感じていました。できるだけ属人化に頼らず、人の入れ替えの影響を受けずに、継続的に使えるツールが良いと考えました。

信用金庫は比較的、異動の多い業態かと思います。以前は、異動により営業推進やデータ分析の担当になった職員が、一から勉強し、今あるデータを使い、自分の能力の範囲で分析をこなしていました。この場合、担当者の能力により、分析の質にどうしてもムラが生じます。また、先ほど述べた推進リストにおいても属人性の影響を受けやすい。KIの導入を通じ、このムラを排し、誰でも高品質の分析が平準的におこなえることを期待しました。

KI導入までのプロセス

KIを導入するに至った経緯を教えてください。

KIの導入に際して、複数の部門との合意形成をおこないました。

まず部門間の下話から始め、まずは各部門の分析実務者間でKIを利用することの価値を共有しました。価値を共有できたら該当部門および関連部門へ部門単位の説明をおこない、部内調整を依頼、最終的に関連するすべての部門の部長や担当役員への説明をおこない合意をとる。そんな形で話を進めました。全庫的に使うためにも、まず徹底的な検討が必要になりました。

KIの導入を推進するにあたっては、とにかく「(KIを)見てもらう」ことを心がけました。口頭や紙資料、PDFでは結局、良さが伝わらない。それより10分でも実際のデモを見てもらう方が、納得感が高い。とにかく見せる。そして「いいじゃない!」と言ってくれる人を少しずつ増やす、その繰り返しでした。とにかく諦めず、啓蒙活動をつづけました。

そもそも最初、KIを入れたいと庫内に話したとき、必ずしも全員が好反応ではなかったんですね。「これ、本当に使えるんだろうか」「具体的にどう活用していくのか、もう少し練るべき」「もう少し時期を見た方がよいのでは」など慎重論が多くありました。

意見を受け入れ、当初は自力で頑張りました。しかしAFE(機械学習)でおこなうような特徴量の生成は、手動でそうそうできるものでもありません。やはりKIを導入したいと、改めて感じました。

そんな折、KIに新機能「要因ツリー」が加わりました。これが導入に弾みをつける役割を大いに果たしました。

経営層に好評だった、要因ツリー機能

「要因ツリーが導入に弾みをつけた」とは、具体的に教えてください。

導入に弾みがついた、というのは、「要因ツリー」機能が、データ分析を見る側である経営陣、管理職層に好評だったからです。要因ツリーを使えば、一つの数字の背後にある理由が深掘りでき、経営判断がやりやすくなります。上層部から「この機能は良いね」という声が多く上がりました。

この他、KIが普及すれば、現在業務の効率化にもつながるという期待もありました。従来、各部門でサブシステムを使い手作業で個別におこなっていた集計や一覧化を、KIを使って一元化し、標準化や時短化できるという期待です。

以前のデータ分析は基本的にExcelでした。csvでデータを落とし、それから部内で揉んだり考えたりです。これからはKIを使ってもっと有機的に分析し、積極的に動けるようにしたいと考えました。

融資稟議に関する、KI導入イメージの具体化

この他、導入前にイメージを具体化させることを意識されたと聞きました。

はい、キーエンスの営業担当にはかなり協力をいただき、最終的には庫内でも導入後の効果や変化を具体的にイメージできたと考えています。キーエンスではビジネス部門でのKI活用やデータ分析が広く浸透しているとのことで、分析するテーマこそ違えど、営業活動の効率化や業績に繋げるための行動分析など、分析の根元の部分は同じなんですね。キーエンスの営業担当を通じて、庫内でのテーマだけでなく、どのような部署で、どのような施策・効果が出そうか、導入前に整理することができました。これには社内からも「興味深いね」という反応がありました。このプロセスは、良い説得材料になったといえます。

このような活動を通じ、最初は慎重だったみなさんにも、「そこまで言うなら、やってみようか」と思ってもらえることができ、ついにKIの導入に至りました。幣庫は、いったん決めたことは全員がきちんとやる、という企業風土です。今後、KIはしっかりと使われていくことでしょう。

徐々に庫内に浸透しつつあるKI

KIへの評価をお聞かせください。

KIには「キーエンスの営業担当者から説明を受けた、そのとおりのことができる」という好印象を持っています。そうであるなら、こちらがちゃんと使いこなし、可能性を十二分に発揮させなければ、と思っています。

現在、週一回の頻度で分析実務者の勉強会を開き、庫内でのKIの習得につとめています。今までイメージや主観で「結果はAだろう」と思っていたのが、分析してみると「実はBだった」と分かることもあります。これらが数字を用いて客観的に、合理的に判断ができるようになっている機会が増えてきていると感じます。

こうした成功体験や実績が積み上がっていくことで、他の部署からも「同類のテーマで使いたい」「自分も触ってみたい」と声が上がるようになります。KIはいま庫内で徐々に浸透しつつあります。

今後の期待

KIへの今後の期待をお聞かせください。

今後は、営業活動の可視化、ハイパーフォーマー分析などに取り組んでいきます。特に若手職員のために、データや事実に基づいた正しい考え方・判断ができるよう、その環境を整えたいと考えています。キーエンスには、横浜信用金庫をデータ駆動型の組織に変革するための活動を、引きつづきご支援いただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

横浜信用金庫

「要因ツリー機能は、庫内にKIを説明する上で、大きなプラスになりました」

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