KIを導入したのは、新規顧客を開拓する力を増強することが狙いです。
日本メックスは、NTTファシリティーズのグループ会社として、各種建物や設備の維持管理、保存、PPP(※)などを主な事業分野としています。全国に180拠点をかまえ、大規模オフィスビルディング、小規模の商業建物から「道の駅」など公共設備に到るまで、大小10,000棟以上の建物の保全管理をおこなっています。現在は、7対3でNTTグループ経由・関連の業務が多くなっていますが、将来的にはこの比率を、顧客の新規開拓を通じて5対5の割合にしたいと考えています。
従来、顧客の新規開拓は、取引銀行のチャネルを通じた紹介、あるいはホームページでの情報提供などを通じて取り組んできました。またSFAなど営業支援システムを導入し、チーム営業、プロセスマネジメントに着手しました。とはいえ目標達成のためには、さらに新規開拓力を強化しなければならない。また既に導入したSFAも、そのデータを十分に活用できているとは言いがたい。営業部門全体を、さらにロジカルかつ科学的に改善することが、懸案事項でした。
この他、「入札の分析」も重要な課題でした。自治体、公共団体の建物維持管理や工事は入札により委託先が決まります。入札案件とは、「要件を満たしていることを前提とした価格競争」なので積算の巧拙が落札の可否を決めます。ここでデータ分析により、社内の積算部門に保存されている、過去の見積もりデータを分析していく意義が生じる。落札できたときは、見積もりのどの部分が安くて勝てたのか、落札できなかったときはどの項目が高すぎたのか、など勝因・敗因の要因をつかんでいきたい。それにより弱みは補強し、強みは伸ばしていくことで、さらに受注率を高めていきたいと考えています。