株式会社みずほ銀⾏

株式会社みずほ銀⾏ デジタルイノベーション部 データビジネスチーム 多治⾒ 和彦⽒、南 達也⽒、森 ⾹織⽒に、KIを導⼊した経緯と⽬的について詳しく聞きました。

「データ分析が、これからの金融機関のカギを握ります。現場が自ら分析し、動く、データドリブン組織を目指しています」

株式会社みずほ銀⾏について

株式会社みずほ銀⾏は、⽇本を代表する都市銀⾏の⼀つです。資本⾦1兆4,040億円、従業員数29,991名。

資本金 1兆4,040億円
従業員数 29,991名

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

スマホ決済サービス、J-Coin Pay

みずほ銀⾏ デジタルイノベーション部について教えてください。

デジタルイノベーション部は、デジタル、フィンテックをキーワードに新規ビジネスを創出することを⽬的とする部⾨です。⼈員数は約100名。組織図上では、どの事業部⾨にも属していません。

ローンチしたサービスに、スマホ決済サービス『J-Coin Pay』があります。J-Coin Payは、個⼈間のお⾦のやりとりや、店頭での決済や銀⾏⼝座への出⾦を、⼿数料ゼロ円で提供します。たとえば、飲み会で割り勘になったとき、J-Coin Payを使えば、おつり交換の⼿間なく、スマートフォンでスムーズに割り勘できます。銀⾏⼝座に直結しておりクレジットカードなしで使えること、本⼈確認を銀⾏レベルで実施していることが特⾊です。現在、地⽅銀⾏と連携して、全国的にサービス展開しています。

KI導⼊の⽬的

みずほ銀⾏デジタルイノベーション部がKIを導⼊した⽬的は何ですか?

⼤きくは次の3点です。

  • 目的1「J-Coin Payの利⽤拡⼤のためのデータ分析」
  • 目的2「データドリブン⽂化を社内に根付かせるためのモデルケース作り」
  • 目的3「データ加⼯(下ごしらえ)の省⼒化、効率化」

データ分析でサービス利⽤拡⼤を⽬指す

⽬的1 「J-Coin Payの利⽤拡⼤のためのデータ分析」とは具体的には?

J-Coin Payのユーザーが、いつお⾦をチャージし、いつ、どこで、どう決済したか。どんなタイプの⼈が、どんなときJ-Coin Payをよく使っているのかを調べるため、KIを使いトランザクションデータなどを分析していきます。

トランザクションには、お客さまの声なき声がたくさん含まれていると思っています。そのデータを分析することで、ヘビーユーザーの属性や傾向がわかれば、それをユーザー開拓、加盟店開拓のヒントとして使えます。「J-Coin Payをよく使う⼈がよく⾏くお店が、J-Coin Payに向いたお店」なので、そのお店に導⼊を呼びかければ効率的に加盟店になっていただける可能性が増します。

ヘビーユーザーの傾向がわかれば、逆の視点からも分析が可能です。「ヘビーユーザーと同じ属性を持ちながら、しかしJ-Coin Payの活⽤頻度は多くない」という⼈がいた場合、サービスの中に「積極利⽤を阻んでいる、改善すべきポイント」が潜んでいる可能性があります。そこをつぶせば、利⽤が進む可能性があるため、このような仮説検証のサイクルを回していきたいと考えています。

いまスマホ決済は、多くの競合がひしめく激戦区です。だからこそ⾃サービスのユーザー傾向を知る必要があります。どんな⼈がどんな時によく使っているのかがわかれば、⾃サービスの強み、差別化点も⾃ずと浮かび上がります。

KIによるデータ分析は、J-Coin Payの加盟店獲得、利⽤拡⼤のために、⼤きな役割を担っています。

データ分析のモデルケースづくり

⽬的2 「データドリブン⽂化を社内に根付かせるためのモデルケース作り」とは?

今後、データ分析は、⾦融機関のさまざまな業務で必須のリテラシーになります。専⾨家にデータ分析を「してもらう」のではなく、現場担当者が⾃ら分析し、⾃ら課題を解決するのが望ましい状態です。GAFAのような企業では現場社員の多くが⾼度な分析を⽇常的にしています。銀⾏もこれを⽬指さなければなりません。

とはいえ、そのあり⽅を、3万⼈の⼤組織である銀⾏本体ですぐに実現するのは難しいことです。しかし、私たちが属するデジタルイノベーション部は、他の事業部から独⽴しており、さまざまな実験がやりやすい環境にあります。まず私たちが「実験台」となって試⾏錯誤し、その上で「業務現場でのデータ分析のあるべき姿」のモデルケースを確⽴し、それを少しずつ広めていきます。そうやって社内にデータ分析の⽂化を根付かせていければと考えています。

この将来像を念頭に置くとき、そこで使うツールは、⼀般的な担当者でも使える「操作が簡単なもの」「課題解決、アイディア出しに直結した分析ができるもの」でなければなりません。この点において、KIは⾮常に優れたツールです。以前は⽀店で事務作業に従事していた⼈でも、今はKIを使って積極的にデータ分析しています。

データ加⼯(下ごしらえ)の省⼒化、効率化

⽬的3 「データ加⼯(下ごしらえ)の省⼒化、効率化」とは?

実はいま、社内のデータ分析への関⼼はすごく⾼まっているんです。現場担当者は、とてもデータを⾒たがります。ただ、現状はまだ「⾃分で分析する」まではいっていません。するとどうなるか?というと、「こんなデータを出して欲しい」「この形でデータが⾒たい」という要望が殺到するわけです。

皆がデータに関⼼を持つのは喜ばしいことです。要望には極⼒対応したいと考えます。しかし、データ分析担当者の数は限られています。そこで似たような切り⼝の依頼が重なると、正直なところ、少し気が重くなります。データ分析というものを、実際に経験した⼈ならわかると思いますが、実際に時間の多くを占めるのは、ETLなど下ごしらえの部分です。この⼿間がかかる割に創造性のない作業に忙殺されるのは無意味であり、それはツールに代⾏させたいと思っていました。

今、その機能が上⼿く実装されているのがKIです。将来的には、「データの整形は(KIを使って)こちらですませておく」「現場担当者は整形済みのデータを(KIを使って)⾃由に分析する」という形を取ることも検討中です。

KI導⼊の経緯

今回、KIを導⼊した経緯を教えてください。

最初はBIツールの⽅に関⼼がありました。BIツールを導⼊して、経営者向けダッシュボードを作ろうと考えていたのです。ところがある⽇、KIを知り、デモを⾒ました。「実によくできている」と感⼼しました。まず、ツールの操作やデータの扱いが簡単です。分析結果を⾒たとき、「この施策を打てば、この変数が動く、その結果、この数字が増える」など、その結果の「原因・要因」を理解しやすく、これなら現場で使えそうだと感じました。

BIとKIの区別は、⼤きくは、「経営陣が全体の数字を確認するだけならBI」「現場が⽬の前の施策を改善するならKI」といえます。まずは現場の動きを良くしようと、「今は現場の加盟店開拓を直接、⽀援する施策の⽅が、優先度が⾼い」という結論を出し、KIを導⼊しました。

KIへの評価

使ってみて、KIの印象をお聞かせください。

「誰でも使えるツールだな」という印象を持ちました。⽂系・理系という区分は表層的かもしれませんが、理系志向、エンジニア志向のツールの場合、画⾯や操作性が極度に機能的で、エンジニアにはそれでよいのですが、⽂系寄りの社員にとっては、画⾯をパッと⾒ただけで、「うわ、ちょっと無理・・・」と拒否反応が出てしまいます。

もちろん弊社にもエンジニア畑の社員がいて、専⾨部署で⾼度なデータ分析をおこなっていますが、それはグループ3万⼈のほんのひとにぎりの話です。会社全体にデータ分析⽂化を浸透させる、現場をデータドリブンにするとなると、社員の⼤部分を占める「⼀般的な(⽂系の)社員」が、データ分析のリテラシーを⾼め、分析ツールを⽇常的に使いつづけるということが必要です。この視点に⽴つとき、KIの誰でも使えるインターフェースは、⾮常にぴったりでした。裏側では⾼度な機械学習の処理をしてくれながら、あくまでUIは、⼀般的なビジネスユーザーが使いこなせるように作られています。さすが、キーエンスさんが社内ツールとして育て上げたツールだと思いました。

⾦融業界におけるデータ活⽤の可能性

⾦融業界におけるデータ活⽤の可能性を、どのようにお考えでしょうか?

我々⾦融業界は、事業の特性上、過去から膨⼤なデータを蓄積してきています。しかし、このデータの価値を最⼤限に利⽤し、事業に⼤きなインパクトを出しきれておらず、多くの余地があります。ご存じの通り、⾦融機関のグローバルでの競争は年々激しさを増し、社会状況のさまざまな構造的な変化の波も重層的に押し寄せています。ただ、この変化のタイミングは脅威でもあり、チャンスともいえます。この機会に、今まで蓄積してきたデータを効果的に活⽤し、⽣産性の⾼い組織に⽣まれ変わることができれば、強い競争⼒を獲得できます。我々は、お客さまからいただいた貴重なデータを、価値に転換し、しっかりとお客さま視点のサービスとしてお客さまに還元していける、そんな強い組織を⽬指していきたいと考えています。

みずほ銀⾏は引き続き、顧客に選ばれつづける銀⾏たるべく、企業価値向上の企業努⼒を続ける所存です。キーエンスにはそうした取り組みを、優れた技術、製品、提案を通じて後⽅⽀援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

株式会社みずほ銀⾏

「データ分析が、これからの金融機関のカギを握ります。現場が自ら分析し、動く、データドリブン組織を目指しています」

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