株式会社⽇本アクセス

⽇本アクセス 商品統括・マーケティング管掌付・特命担当 望⽉ 洋志⽒に、KIを導⼊した経緯と⽬的について詳しく聞きました。

「KIは、『仮説を持たずに分析しても、影響度の大きい切り口を提示してくれる』という点で、BIと異なります」

株式会社⽇本アクセスについて

株式会社⽇本アクセスは⽇本を代表する⾷品総合商社の⼀つです。10,000社以上の⾷品メーカーから仕⼊れた⾷品を、日本全国の⼩売企業に卸しています。特に冷凍・冷蔵⾷品に強みがあります。

年商 2兆1,320億円
従業員数 3,849名
設⽴ 1993年

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

⾷品卸という業態にとって、データ分析とは?

「⾷品卸」である⽇本アクセスにとって、データ分析の位置づけは?

⽇本アクセスのデータ分析の主⽬的は、「顧客である⼩売企業様およびメーカー企業様の売上増に貢献すること」です。たとえば、「店頭の『棚づくり』の提案」をするときなどに、データを活⽤します。スーパーなど⼤規模⼩売業の店頭には、麺類、調味料、お酒、清涼飲料⽔、冷凍⾷品など、カテゴリ別にさまざまな売場があります。「棚づくり」とは、各売場での複数商品の並べ⽅、⾒せ⽅を考え、お客様が買いたくなる品ぞろえとともに、魅⼒的な売場をつくることです。棚全体の売上を最⼤化するには、定番商品だけ並べていてもダメで、さまざまなタイプの商品を適切に組み合わせて陳列する必要があります。そんな「お店がにぎわう棚」「儲かる棚」を、私たち卸企業がデータを駆使して⼩売企業に提案するのです。

なぜ卸が、⼩売に向けて、売場提案をしていくべきなのか?

そういう提案は、⾷品メーカーがするのだと思っていました。

⼩売業、メーカー、卸は、それぞれ異なる情報を持っています。⼩売業は⾃分の顧客、つまり最終消費者、⽣活者のことをよく知っている。メーカーには商品知識がある。⼀⽅、卸売業には、「全国規模の商品カテゴリの動き」の情報があります。私たち卸売業は、メーカーと⼩売の「中間」という位置にいます。そのため、「⼩売業の売上最⼤化のための、メーカー中⽴的な売場提案」がやりやすいのです。⽇本アクセスには国内500箇所以上に物流拠点があり、毎日多数のトラックが全国を⾛り回って商品を運んでいます。この納荷情報を適切に活⽤すれば、「今、⽇本のどの地区で、どんな商品が⼈気があるか」が把握できます。私たち卸売業は、メーカー企業様と⼩売企業様の間で「互いの翻訳者」「良き調整者」として機能したい。3者が持つ異なる情報、知⾒を的確につなぎ合わせ、売場に⾜を運んでくる⽣活者、最終消費者に最も喜ばれる売場を考案、提案したい。その根拠となるのが、お客様のニーズであるデータなのです。

基本⼿法は、市場POSと売場POSの⽐較

具体的にどうデータを活⽤するのですか?

最も基本的な⼿法は、「市場POSと売場POSを⽐較して、差異の部分のテコ⼊れを提案する」というものです。たとえば「市場POSによれば、いま全国で⾼級ビールの売上が急激に伸びている。しかし貴店では、そこまで売上が伸びていない」と現状分析し、その対策として「⾼級ビール売場を強化しましょう」と提案するわけです。しかし、個⼈的には、こうした単純⽐較だけでは、真に価値ある提案にならないと、ずっと考えていました。
※ 「市場POS」とは、⺠間のデータ会社が提供(販売)している市場動向データのことです。全国の個別店舗のPOSをサンプリングした上で、各商品カテゴリの全国的な売上動向を推定、算出します。「テレビの視聴率調査のようなもの」とも解釈できます。

⾼度なデータ分析で「将来⼤化けするカテゴリ」を⾒つけたい

では、どんな提案なら良いのでしょうか?

データ分析が価値を持つ1つとして、「将来の⼤化け商品ジャンルの発掘」があります。市場POSや売場POSでわかるのは、「今たくさん売れているもの」です。そうした、よく⽬⽴つ「⼤きなデータ」だけ分析したいなら、極論すればエクセルで⼗分です。⾼度な分析ツールは必要ない。しかし継続的な売上増のためには、「将来に向けた仕込み」が必要です。具体的には、「いま現在の売上はまだ⼩さいが、着実に売上が伸びている」という商品に着⽬します。さらにその商品が、社会的トレンド、つまり「共働きの増加」「⼥性の社会進出」「⾼齢化」「世帯の単⾝化」などに即しているなら、なおさらです。そうした商品は、1年後、2年後に、⼤きな市場に育てられるよう、メーカー、卸、⼩売が協⼒して、ぜひプロモーションしていきたい。このような「⼤化け候補」も、初期段階では「⼩さいデータの動き」「かすかな予兆」でしかなく、これは⾼度な分析ツールを使わないと発⾒できません。そういうわけで良い分析ツールには、常にアンテナを⽴てていました。そんなとき知ったのがKIです。まずはデモを⾒てみることにしました。

仮説フリーのデータ分析の重要性

デモを⾒ての印象はいかがでしたか?

私と共にデモを⾒た上司は、「KIは、仮説を持っていなくても、分析結果を⽰唆してくれるのが良い」と評価していました。いま弊社では数種類のBIを活⽤しています。しかしBIは原理的に「仮説」なしに使えません。私⾒では、BIとはつまり、データに対しさまざまな⾓度で横串、縦串を刺す「クロス集計の巨⼤な集合体」です。その場合、「どういう視点で分析するか」「何の項⽬で串刺しにするか」を、あらかじめ⼈間が意志を持って決めなければいけません。つまり仮説が必要です。しかし仮説といえば聞こえはいいですが、それは単なる「思い込み」かもしれない。⾃分の都合や願望が仮説に反映されすぎると、分析結果が「濁る」可能性があります。あるいは仮説のせいで、結果への影響が⼤きい変数を「⾒落とす」こともありえます。⾃分の仮説が重要な変数をヌケ・モレなく網羅している保証はどこにもない。その場合、その仮説に基づいてBIを使っても、結論の妥当性は必ずしも担保されていません。⼀⽅、KIのアプローチは、仮説フリーの「無機質なもの」です。たとえば、「あるカテゴリの売場の売上を最⼤化したい」という⽬標をもって分析すると、その結果の実現に影響度が⾼い変数を、KIが数多く提⽰してくれます。もちろん中には⼀⾒しただけで明らかに無意味とわかる変数もある。だがそれでよい。それはKIがあらゆる可能性を機械的、中⽴的に検証している証でもあるからです。これはかつての将棋ソフトの⽅法論にも似ています。どう考えても無意味な⼿も含め、あらゆる⼀⼿を網羅的に検証することで、予想外の好⼿を⾒つけるわけです。先ほど述べた「将来の⼤化けの予兆」を発⾒するには、KIの仮説フリーのアプローチが向いているように思えました。こうして既存BIとの使い分けの道筋も⾒えたので、その場でKIの導⼊を決定しました。

最終的な理想像

現在のKIへの印象はいかがですか?

利⽤してみて思ったのは、KIは「業務に忙殺されることの低減」にも役⽴ちそうだ、ということです。実はデータ分析で⼤変なのは、分析の前段階である「集計」「下ごしらえ」「前処理」の部分です。これは⾮常に無味乾燥かつ⾻が折れる作業で、この作業をエクセルでやると、必ず「忙殺」されます。ただ、データ分析で重要なのは、クリエイティブな視点で⼩さな変化を⾒つけ出し、行動を起こすことなので、データ集計に忙殺されて仕事をした気分になるのでは本末転倒です。KIは将来、各事業部の営業サポート部⾨にも積極活⽤してほしいと考えています。KIを使いこなして「集計に忙殺されない仕事環境」を作っていきたいと考えています。提案営業で最も重要なのは「顧客を知ること」です。弊社は卸売業として、「顧客である⼩売企業様・メーカー企業様のことを、顧客以上に熟知している状態」を⽬指したいと考えており、データ分析はそのための強⼒な武器です。キーエンスにはひきつづき、優れた技術、製品、サポートを通じて、⽇本アクセスの顧客価値向上の取り組みを⽀援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

株式会社⽇本アクセス

「KIは、『仮説を持たずに分析しても、影響度の大きい切り口を提示してくれる』という点で、BIと異なります」

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