⼤阪ガス株式会社

情報通信部 ビジネスアナリシスセンター 髙⽊ ⼤輝⽒、國政 秀太郎⽒に、KIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「KIには現場部門を『巻き込む』力があります。デモを見た一週間後には、導入していました」

大阪ガス株式会社について

⼤阪ガス株式会社は⽇本を代表するエネルギー企業の⼀つです。近年は電⼒の販売、関⻄圏以外への展開など事業を拡⼤しています。

ガス供給件数 568万件
年商 1兆3718億円
従業員数 20,224名
設⽴ 1897年

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

データ分析を専⾨とする社内組織

「⼤阪ガス ビジネスアナリシスセンター」について教えてください。

ビジネスアナリシスセンターは、大阪ガス内のデータ分析の専⾨組織です。組織図上ではIT部⾨ですが、いわゆる「情シス業務」はおこなわず、もっぱら「社内向けデータ分析」をおこなっています。⼤阪ガスには社内スポンサーシップ制度があり、私たちもこの制度のもとで業務を進めています。スポンサーである現業部⾨から予算をもらって分析業務を請け負い、成果物として分析結果を提供します。つまり独⽴採算制、⼀種の「社内商店」です。私たちにとって社内の現業部⾨はまさに「顧客」です。当然、社内営業もします。「みなさんの業務課題はこれではありませんか?」と問題を⾒つけ、データ分析で問題を解き、その結果をビジネスの現場で使わせる、この「⾒つける、解く、使わせる」が私たちのビジネスサイクルです。最初に部⾨ができたのは今から20年前、1990年代後半です。当時はまだデータ分析が脚光を浴びておらず、正直いって「社内の便利屋」扱いだったそうです。他部⾨から頼まれた分析を淡々とこなし、分析結果を⾒せても「ふーん」と反応されるだけの単なる参考情報扱い。ビジネス現場でのインパクトは皆無......。このままではいけないと先⼈が奮い⽴ち、仕事をもらう待ちの姿勢から、⾃ら売り込む攻めの姿勢に転じ、「⾒つける、解く、使わせる」を繰り返しながら、「こいつらおもろいな」、「あいつらに相談すると何か解決してくれそうや」と思ってもらえるという、今の地位を勝ち得たのです。

「業務⽤⾞両の配置効率化」「修理部品の予測⽀援」

具体的な分析例は?

たとえば、「業務⽤⾞両の配置効率化」問題の解決。⼤阪ガスにはお客様を巡回する業務⽤⾞両が多数あります。これをどこに何台配置すれば、お客様のもとに最短時間で駆け付けられるか。この問題に対し、⾃動⾞メーカーが保有するプローブカーデータの渋滞情報を分析することで、解を出しました。次に「修理時間の短縮化」問題の解決。ご家庭のガス給湯器が故障したとき、保守担当が来訪して修理しますが、多くの場合、「初回訪問でヒアリング、次回訪問で部品を持参して修理」という流れでした。この訪問は、何とか1回に短縮したいところです。この問題は、修理依頼の電話内容から、実際の故障内容を予測できれば、相当に解決します。故障内容がわかれば、保守担当は、それに基づいて適切な修理部品を持参できるようになるからです。実際、データ分析を通じて故障内容がある程度、事前にわかるようになってから、⼀回の訪問で修理まで完了する事例が増え、顧客満⾜の向上と弊社側コスト削減の2つが実現しました。

データ分析は⾃給⾃⾜の⽅がいい

今回、ビジネスアナリシスセンターがKIを導⼊した経緯は?

私たちはデータ分析を、「(ビジネスアナリシスセンターが)してあげる」という形から「(現業部⾨が)⾃分でする」という形に変えたいと思っています。この流れを加速するために、KIを導⼊しました。データ分析は「現場が⾃給⾃⾜する」のが理想です。現業の知識やノウハウ、課題への切迫感、解決の意欲、どれをとっても現業部⾨の⽅が上です。だったら⾃分でやった⽅がいい。それに、我々に分析を頼むとなると、「予算がかかる」「頼むのがおっくう」など、さまざまな阻害要因があります。そのせいで、「データ分析はしなくていいや(今のままでも何とかなってるし)」となり、業務改⾰のスピードが落ちるのではもったいない。そうならないよう、やはりデータ分析は⾃分でササッとやった⽅がよいと考えます。

本当にやるべき分析とは?

しかし本当にそうなったら、みなさんの仕事が無くなるのでは?

いや、それはありません。そもそも私たち⾃⾝、「次のステージ」に進みたいのです。今、私たちのデータ分析の多くは各部⾨のビジネス課題を解決するものです。しかし、私たちは、それだけでなく、例えば、縦割りの事業部⾨に横串を通して解析したり、今までの当社にはない事業/サービスを⽣み出したりするようなデータ分析を進めていきたいと考えています。「現場の最適化」は極⼒現場に任せ、私たちは「会社全体の最適化」を⽬指す、これがあるべき姿と考えています。ただ、いくらデータ分析は⾃給⾃⾜が望ましいといっても、現場社員は専⾨家ではないので、彼らを⽀援するツールが必要です。しかし、市販のツールに機能と使いやすさを兼ね備えたものは⾒当たらない。さてどうしたものか、と考えていたある⽇、知⼈から「今度キーエンスがKIというデータ分析ツールを発売するよ」と聞き、早速デモを⾒ることにしました。

KIのデモンストレーションの感想は?

デモの感想はいかがでしたか?

少しデモを⾒ただけで、良さがわかりました。現場社員が普通に使えそうなインターフェース、⾼度な分析内容、解析スピードも速い。また単なる分析にとどまらず、「施策」まで落とし込めるところが素晴らしい。デモを⾒ながら私の脳裏には、「⾃分がみんなと⼀緒に解析画⾯をのぞき込んでいる姿」「みんなが⽣き⽣きとツールを使いこなしている姿」が浮かびました。デモを⾒てすぐ「これを買う」と決定し、翌⽇には上司の決裁を得ました。これが⼀週間前のこと。今はインストールを終えて、部内で⾊々いじくっているところです。

KIを即時導⼊できた理由

ビジネスアナリシスセンターでは、データ分析ツールを何種類持っていますか?

ハイエンドなものから簡易なものまで、私たちが確認しているだけで少なくとも10種はあります。しかし、部⾨全体で何種類あるのか、私たちもわかっていません。ビジネスアナリシスセンターでは、⾃分が使うツールは⾃分で決められます。「⼤⼯は、それぞれ好きなカンナを使って良い」というイメージです。部内は社員ごとの独⽴採算制で、「個⼈事業主の集まり」のような構成です。だから⾃分の売り上げ(利益)の範囲でやりくりできるなら、ツールにもほぼ⾃由に「投資」できます。今回のKIの導⼊費も、私たち⼆⼈が「おこづかい」を出し合って捻出しました。だからデモを⾒てただちに導⼊できたのです。

分析ツール、2つの評価軸

今まで、さまざまなデータ分析ツールを使ってきたと思いますが、それらと⽐べたときのKIへの評価をお聞かせください。

KIは「分析性能」と「(現場を)巻き込む⼒」の2軸で⾒るとき最⾼評価となります。まず第⼀の「分析性能」軸。KIの分析性能は優秀です。たとえば、特定の⽬標値を最⼤化(あるいは最⼩化)したいとき、それに強い影響を持つパラメータは何になるかを探すという「特徴量エンジニアリング」などが特に優れていました。また地味なようで重要なのが「データ結合」の性能。たとえばここに「⼊会した⼈のリスト」「実際に来店した⼈のリスト」など複数のデータがあるとして、それを分析するには、まず複数データを有意な形で結合する、いわゆる「下ごしらえ」が必要になります。これは⼿間と時間がかかる作業ですが、KIは半⾃動で⾼速処理してくれます。実にありがたい点です。

「巻き込む⼒」の重要性

第⼆の軸、「巻き込む⼒」については?

KIは「これなら現場を巻き込める」と強く思えるツールです。
ツールで現場を巻き込むには、私の考えでは、「使いやすさ(わかりやすさ)」「わくわく感」「さくさく感」の3点が重要です。

POINT1「使いやすさ(わかりやすさ)」

データ分析の専⾨家でない現業部⾨に使ってもらうには、操作が直感的でわかりやすい必要があります。その点でKIのインターフェースは素晴らしい。これなら素⼈でも簡単に使えます。

POINT2「わくわく感」

「わくわく感」とは、「ツールを使って遊びたくなる気持ち」ともいえます。「ここの年齢のパラメータ、20代から30代に変えたらどうなる?」「地域別では?」「曜⽇ごと季節ごとに⾒てみたら?」と⾊々試し、結果を⾒て「うわ〜、こうなるんだ!」と驚いて、さらに深く分析したくなる。現場が⾃分で動くには、そんな「わくわく感」が不可⽋です。

POINT3「さくさく感」

「わくわく」を実現するために重要なのが「さくさく」、つまり「動作が速いこと」です。いくら操作が簡単でも、分析性能が優秀でも、解析結果が出るのはボタンを押して30分後...というのでは、楽しく遊べません。しかしKIは、最初のデータ読み込み(下ごしらえ)さえ乗り越えれば、その後の「パラメータを変えて再解析」のところでは、パッと⾼速に結果が出ます。⼗分に、「遊べる速さ」です。

私たちが⽬指す理想像は、「現場社員が、いろいろデータで遊んで、その結果、上司をビックリさせるような提案を思いついて、⾃ら実⾏する」というものです。KIを使えば、⼗分可能だと思います。

今後の期待

キーエンスへの今後の期待をお聞かせください。

今後も⼤阪ガスビジネスアナリシスセンターでは、現業部門にインパクトを与えるデータ分析活動を推進していきます。キーエンスには優れた技術・商品・サポートを通じて、引き続き⼤阪ガスのデータ分析の取り組みをバックアップいただくことを希望いたします。今後とも、よろしくお願いします。

⼤阪ガス株式会社

「KIには現場部門を『巻き込む』力があります。デモを見た一週間後には、導入していました」

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