株式会社ソフマップ

管理室マーケティング室 頓宮 嘉朗氏、東海林 和友氏にKIを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「マーケティングオートメーションツールとKIを連携して活用しています」

株式会社ソフマップについて

株式会社ソフマップ(以下、ソフマップ)はパソコンおよびデジタル機器の販売・買取を主な事業とし、『ソフマップ・ドットコム』でのデジタル機器の通販や、『アキバ☆ソフマップ』でのアニメグッズ通販、中古専門通販「リコレ!」、ビックカメラ・グループの買取専門アプリ「ラクウル」の運営も手がけています。

創業 1982年
従業員数 621名
店舗数 全国30店舗

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

会員戦略、顧客育成のためにKIを活用

ソフマップがKIを導入した目的を教えてください。

顧客育成の推進に向けて、分析を効率よく実施するためです。

いまソフマップでは、新たな「顧客の層」が生まれつつあります。従来の顧客層は、東京、大阪など大都市に住む、30代以上の男性が中心でした。ソフマップのイメージは「秋葉原や池袋など電気街にある大きなパソコン店。元気のいいテーマ曲が耳に残る」というもので、つまり店舗を通じての認知形成でした。しかし最近は別の経路でも認知されつつあります。その一例が2019年に事業譲渡の形で取得したアニメグッズ販売「アニメガ」を経由しての認知です。アニメガの主要顧客は10代〜20代の女性顧客が9割を占め、今までにないソフマップの新規顧客として増加しています。通販サイトでは、お客様は店舗がある地域だけでなく、日本全国すべての方となります。中には「アニメガは知っているけど、ソフマップは知らない」という方もいるはず。特にソフマップの店舗がない地域ではそうなります。こうしたお客様に、ソフマップがどのような商品の取り扱い、どのような店舗・通販サイトがあるかを知っていただき、購買につなげたいわけです。もちろん従来の顧客への働きかけも重要です。⻑らく購買のない休眠顧客を、少なくとも年に1度ご利用いただく「アクティブ顧客」に、さらには年に複数回購買する「リピート顧客」、最終的には「ロイヤル顧客(お得意様)」まで高めたいと考えています。弊社ではこれまでもデータ活用に取り組んできましたが、それは「何がいつどこで何個売れた」という商品軸の分析が主流でした。今後はここに顧客軸の分析を加えていきます。

豊富な顧客データの活用を狙う

「商品軸のデータ分析から、顧客軸のデータ分析へ」とは具体的には?

今の時代、どの小売業もそうだと思いますが、POSデータや市販データを使って、店舗および通販サイトの販売強化につとめてきました。デジタル機器の販売は、売れるときは爆発的に売れ、時期が過ぎればパタリと勢いが止まる、ある種「旬の物」といえます。店舗・通販サイト、さらには競合他店で、今どんな商品がどれだけ売れているか、そのデータをリアルタイムに注視、把握しています。そして機会損失を防ぐべく、販売戦略を常に更新しています。しかし、この施策だけではリピート顧客の育成や、アニメガからの認知拡大など「顧客を軸にした中⻑期的な施策」には手が回りません。ソフマップの会員は現在約220万人。会員情報は、店舗、通販サイトで区別することなく連動、一元管理しています。それらの属性情報や購買情報は「貴重なデータ資産」です。これを活用しない手はありません。私たちマーケティング室は、この膨大な顧客データを使った「会員戦略」「顧客育成」をおこなうために2020年に新設された部門です。KIもまず私たちが中心的に使っていきます。

KIはマーケティングオートメーションツールと連動させて活用

KIは具体的にどう活用していますか?

顧客育成の主な手段はマーケティングオートメーション(以下MAツール)ツールを使ったメールマーケティングになります。全会員に一⻫送信するのではなく、毎回、対象を絞り込み、目的・嗜好に特化した内容のメールを送ります。KIの主な役割は、このメール送信のターゲット抽出です。
現在のデータ活用の構造は、大きく、次のとおりです。

  • 店舗POSデータ、ECでの販売データ、顧客属性データをCDP(CustomerDataPlatform)へ統合する。
  • CDPへ統合されたデータをKIで分析し、時々の目的に適ったターゲットを選定する。
  • ターゲットに対し、施策を立案・実施・効果検証をおこなう。

データ分析は主に、「年に1回は購買している」というアクティブ会員、数十万人を対象にしておこないます。これに対し「実績を向上させたい数値(目的変数)が、どんな顧客の属性、特徴(特徴量)の下で最大化するのか」という仮説を立てます。例えば「過去1年間の最終購入日から30日/60日/90日/180日後にリピート購買している顧客」のような形で値を区切り、その購買行動を起こすのは、どのような顧客か、属性や特徴を把握します。そして、その条件に合致するターゲットを選定します。続いて、そのターゲットに対しどんなアプローチをするか、具体的な施策内容を協議します。全会員に向けての一⻫キャンペーンのような「安易なバラマキ」ではなく、分析結果を根拠としてコストに見合った施策を考えていきます。

KI導入の経緯

KIを導入した経緯を教えてください。

昨年夏ごろ、顧客戦略の強化を目的にMAツールの導入を決めました。それ以前もSQLを書いてデータ集計をしていましたので、導入後もターゲットの抽出やシミュレーションはCDP上での手作業を想定していました。そんな折にキーエンスの方からアポイントがあり、実際にお会いしてデモを見せていただいたのですが、顧客の利用状況から購買促進に繋がる施策を検討する内容のデモで、まるで自分の業務のあるべき姿を見ている様でした。同席した役員も「今のままでは東海林に頼まないとデータが出てこない。ツールを導入しても施策の追加に時間が掛かる。」という問題意識があったようです。AIによる分析を前向きに検討することになり、数社を比較してKI導入を決めました。

検討の際の着眼点

どんな基準で検討したのでしょうか?

主に次の3点に着目しました。

1. 【自社の環境向きかどうか】

店舗とEC、それにサポートや買取サービスがあるためデータの種類は多岐にわたります。何億レコードもあるアクセスログや100カラム以上ある購買データをそのまま扱えることがポイントでした。KIなら数十GBのCSVをそのまま取り込んで、不要なカラムを削除し、値をフラグに変換する作業がすべて内部で完結します。KI以外の領域に追加作業が発生しないので、これならすぐに導入できると確信しました。

2. 【誰でも使えるツールかどうか】

デモがとてもシンプルで、データを取り込み、分析を実行し、結果を表示させるまでの手順が誰でも再現できそうなのが印象的でした。ちょうどマーケティング部門の増員をお願いしている時期だったので「誰でも簡単に」使えるものを求めていました。実際に環境のところで述べたようにワークフローで容易にデータの加工ができるので、まったく新しいテーマで分析をおこなう際も手元のデータですぐに始められます。

3. 【サポートにどこまで相談できるか】

キーエンスのデータサイエンティストによる伴走型サポートがあることも決め手になりました。ちょうど分析のあり方を模索している時期だったので、KIを導入すれば高収益で有名なキーエンスの分析担当者に色々相談できると思ったほどです。実際にデータの確認、分析テーマ決め、結果の読み取り方、施策の立案までもフォローしていただき、現在もKIの使い方に留まらず会員戦略における色々な課題の進め方を相談させていただいています。

現在の評価

これまで使ってみて、KIへの評価・効果などあればお聞かせください。

以前、東海林がおこなっていた「SQLを書いて集計する手作業分析」は本当に大変で、これだけで1日4〜5時間を使っていました。しかしKIの導入により業務時間を短縮することができたため、その時間を別のタスクに振り分けています。実際、以前は週1回、または隔週だったメルマガ送信頻度が、今は週4〜5回に増えました。KIの導入により顧客獲得・育成に向けた各タスクの実行スピードが向上したと考えています。

先行ユーザーとしてのアドバイス

現在、データ分析の導入を検討中の企業に向けて、「先行ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。

「分析しすぎない・分析に溺れない」ことが重要だと感じています。データ分析は、細かく突きつめるとキリがない。どこまでもマニアックに時間を費やしてしまう。しかし本来の目的は「顧客戦略」「顧客育成」であり、分析だけに没入してはいけないと改めて感じています。ソフマップは引き続き、お客様に選ばれる企業であるべく、さまざまな形で顧客コミュニケーションを展開していきます。キーエンス様には弊社のそれら取り組みを、優れた技術、製品、サポートを通じて継続支援していただければと考えていますので、今後ともよろしくお願いします。

株式会社ソフマップ

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