トランコム株式会社

トランコム株式会社 取締役常務執⾏役員 上林 亮⽒、執⾏役員ICT推進グループ担当 ⽯⼭ 耕⼀⽒にKIを導⼊した経緯とその効果について詳しく聞きました。

「物流ニーズが高まる今だからこそ、データ活用で事業を強化したい。そんな思いでオンライン商談のみでも、導入を決めました」

トランコム株式会社について

トランコム株式会社は「輸送マッチング・配送サービス」「物流センター構築・運営サービス」「⽣産請負・⼈材派遣サービス」を事業分野とする運輸ソリューション企業です。

年商 1,634億円
従業員数 6,757名
創業 1955年

※この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数で記述しています。

荷主と運送会社をつなぐ、物流マッチング事業

トランコムの物流マッチング事業について教えてください。

弊社では、実際に⾃社トラックを使って物流を請け負う「物流事業」、お客様の物流システムの構築をトータルに請け負う「物流センター構築・運営サービス」の他に、荷主とパートナー運送会社をつなぐ「物流マッチング事業」を展開しています。

物流マッチングとは、⼤きくは「急いで荷物を運びたい荷主」と「トラックの空きを作りたくない運送会社」をつなげ、物流全体の効率化を実現するサービスです。⼀種の「情報サービス」であり、中核となるのはトラックや倉庫ではなく「情報センター」です。弊社では現在、10名から60名で構成される、⼤⼩さまざまな規模の情報センターを全国38箇所に展開しています。

たとえば荷主から情報センターに、「明⽇中に東京から⼤阪まで商品を幹線輸送したい。トラックを探してほしい」という紹介依頼の電話がかかってきたとします。このとき、依頼を受けた弊社スタッフは、システムを使って運送パートナー会社の空⾞情報を取得し、最適なマッチングをおこないます。荷主は納期通り荷物が送れる。運送会社はトラックの稼働率を⾼められる(空きトラックがなくなる)。これでウイン・ウインとなります。情報センターは「東北⽅⾯」「東海⽅⾯」「関⻄⽅⾯」など地域別にチームが分かれ、各センターのエリアから全国に向けた配⾞業務をおこなっています。現在マッチング件数は⼀⽇6,000件、年間で155万件以上におよんでいます。

通常のマッチングサービスの場合、需要側が供給側をホームページ上で検索し、⼈を介さずオンラインですべてが完結するような例も多くあります。⼀⽅、弊社の物流マッチングサービスでは、業務のすべてを⾃動化するのではなく、必ず⼈を介在させることで、荷主とパートナー運送会社の双⽅に寄りそった、きめ細かいサービスを展開しています。

現在、スタッフのマッチング業務そのものは、⾃社開発した求貨・求⾞システムなど各種ITシステムを使い、相当な程度まで効率化を実現しました。
⼀⽅、案件獲得、営業に関してはまだ改善の余地があると考えています。今回のKI導⼊は、この案件獲得の確度向上を⽬的としたものです。

物流マッチングの案件獲得とデータ分析の関係

具体的にどのように改善していくのですか?

マッチングサービスというと、「ポータルサイトを作って、そこに顧客がアクセスするのを待ち続ける」というイメージがありますが、物流マッチングでは、少々、事情が異なります。たとえば弊社スタッフが荷主に電話し、「とあるトラックが⼤阪から福岡まで荷物を運びました。その帰り道でよければ、お安く運べますよ」と積極的に営業することは珍しくありません。現在収集している貨物・空⾞、各情報のうち実に40%が、こちらから提案して実現する「アクティブ案件」です。

この「アクティブ案件」の確度を上げるためにデータ分析を活⽤したい。社内にはすでに、過去20年分の貨物・空⾞の各データが蓄積されています。これをさまざまな切り⼝で分析することにより、案件発⽣の傾向を把握したい。たとえば「この時期、この業種で、これだけの条件が揃えば、⾼確率で運送案件が発⽣する」といった知⾒があれば、顧客に対し「ちょうどいいところに電話してくれたね!」と思われる営業電話ができます。

運送業界は典型的な「泥臭い業界」であり、コミュニケーション⼿段は、やはり電話などアナログが主流です。しかし媒体がアナログでも、裏側では科学的な分析を⾛らせる必要がある。今後、⾃社内に「運送とデータ分析の両⽅を熟知した⼈材」を育てていきます。データ分析は、今後のトランコムの成⻑を駆動する、重要なエンジンだからです。

物流マッチング部⾨では、この課題意識に基づき、かねてよりデータ分析ソリューションの情報収集をしていました。その中で、偶然知ったのがKIです。⾮常に興味深い商品だったので、さっそく説明を聞くことにしました。

導⼊の経緯

今回、KIを選んだ理由を教えてください。

ツールによるデータ分析は、得てして「分析のための分析」に終わりがちです。モデルに従い正しく分析し、キレイなグラフができあがった、ただそれだけ...というような。

しかしKIでは、この変数の値が変わればリピート率が上がる、ここが下がれば離反率が増えるなど、「何をどうすればどうなるか?」がよく⾒える、つまり施策に直結する分析でした。また「最初にモデルありき」の固定的な分析ではなく、すべての変数を⾃由にシミュレーションする形式である点も、思い込みや先⼊観が介在しづらい、良い仕様だと感じました。そしてこのKIを、まさに現場で使っているというキーエンス⾃⾝が好業績なため、説得⼒もありました。

IT部⾨では、物流マッチング部⾨とは別に機械学習系のツールを探していました。しかし、4〜5社検討しても、いずれも導⼊には⾄りませんでした。現場で使いこなすには難しすぎると判断したためです。そんな折、社内でKIの話を聞いて商談に合流し、KIの現場⽬線の使いやすさに⼼を掴まれました。

商談はどのように進んだのですか?

2020年2⽉の商談開始ということで、すべての商談をオンラインで実施しました。初回プレゼンを聞いてすぐに⼼を掴まれ、その後、ほぼ全役員へのプレゼン、社⻑・会⻑プレゼンへと進みました。オンラインであってもキーエンスの営業の⽅はスマートに商談を進められ、導⼊後のサポートに期待を持てた点もKIを選んだ理由の⼀つと⾔えます。

ほかの会社ともオンラインで商談をすることがありますが、キーエンスが良かったのは、議題をピンポイントに絞って、それに応じた資料を事前に送ってきてくれた点です。資料の内容も、現場がどう成果につなげていくかという、現場⽬線でのアプローチだったことも決め⼿の一つです。

物流への思いと今後の期待

御社の物流に対する思いと、キーエンスへの今後の期待をお聞かせください。

世間はDXブームですが、前述のとおり物流業界はどうしてもアナログな部分が残ってしまう業界です。しかし、昨今の急激な社会の変化により、物流に対するニーズはますます⾼まっています。だからこそ、デジタル化できる部分は積極的にデジタル化していくことが必要です。それにより、より多くのお客様とパートナー企業をより深くつないでいきたい。キーエンスには弊社のそうした取り組みを、優れた技術、製品、提案を通じて後⽅⽀援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

トランコム株式会社

「物流ニーズが高まる今だからこそ、データ活用で事業を強化したい。そんな思いでオンライン商談のみでも、導入を決めました」

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